

設計にたっぷり1年以上を費やしたというこの家は、1階にお母さま、2階に息子であるSさんご夫婦が暮らす2世帯住宅である。大学時代に建築を学んだSさんは、住まいづくりへの関心が高く、今回の新築にあたっては素材やデザインのディティールにも徹底してこだわり、自邸の建築そのものを楽しんだ。
当初、建築家と計画を進めていたものの、なかなか思いが伝わらず困っていた。そんなとき、宮の森にあるHOPのモデルハウスを見て「隅々までていねいにつくられているのだな」と感心。また、木をたくさん使った和のしつらえが好きなお母さまのことも考えて、新しい住まいづくりのパートナーに、改めてHOPを選ぶことにしたのだ。
お母さまが暮らす1階は、エントランスの上品な格子戸からも想像できるように、本格的な和室を備えた木のぬくもりあふれる住まい。そして、Sさんたちが専有する2階は雰囲気が一転、白い大理石と漆喰で仕上げたエレガントな空間である。最初から鉄筋コンクリート造で建てると決め、構造の特性を生かした広さや強さを住空間のなかに表現したのだ。
100m2を超えるフロアにリビング・ダイニング・キッチン、ベッドスペースを計画的に配置して、大胆なワンルームスタイルで使用。最高で4mある天井の高さものびやかな気分を誘い、疲れやストレスといったものを和らげてくれそうだ。ハイサイドライトから入る自然光が描くコントラストも、空間を立体的に見せ、さらに美しいものにしている。
花模様が印されたステンレスの玄関ドアに、蝶をかたどったアートフルな取っ手がついている。

大理石を敷き詰めた風格ある空間は、高級クラブのような印象。クローゼットの壁は、ステンレスに花柄のエッチングが施されている。
光の陰影がきれいなエントランス。正面の格子戸はお母さま宅の玄関入り口。右手の鏡面仕上げの収納と並んで、2階へ上がる玄関がある。
「コンクリート住宅は丈夫な躯体と高い遮音性に加え、おもしろい空間ができると期待したのです。住空間は、はじめから白をベースにしたインテリアと決めていました。素材は石とかステンレスとか、シャープで力強いものに惹かれます。イメージとしては、住宅というよりクラブやレストランの雰囲気ですね」。
優美なデザインと硬質な素材の融合により、どことなく非日常を思わせる空間の細部には、目を引くマテリアルがいくつもある。たとえば、キッチンとベッドスペースの中間にしつらえたクローゼットの壁は、ステンレスにエッチングで繊細な花模様を施したオリジナル。作品と呼びたくなるアートフルな壁は、姿見として、あるいはベッドスペースをさり気なく仕切るものとしても機能している。このエッチングは玄関ドアにも採用され、S邸の個性をアピールするひとつの象徴的なデザインにもなっているのだ。
階段のけこみ部分に使われたガラスタイルも印象的で、淡いエメラルドグリーンが光の加減によって微妙に色を変化させる。壁や天井、手すりにやわらかな曲線が配された階段ホールで、このタイルの一片が小さく輝き、宝石のかけらのようにも見えるのだ。
「床全面に敷いた大理石は、冬は床暖房で足元から快適。HOPさんにいろいろ提案していただいた素材のなかから、やはり本物を選んでよかったと思います。インテリアはそこからスタートして壁は漆喰、家具や収納も白でコーディネートし、理想通りの空間になりました。建具のデザインや収納扉のおさまり具合なども、細部の造作まできれいにデザインしていただき、ほんとうに感謝しています。ただ広いだけじゃなく場所ごとにいろいろな楽しみがあり、心からやすらげる空間になりました」。
| 白で統一された清楚なリビング。大開口から続く奥行きのあるバルコニーが、住空間にさらなる広がりを演出。 | リビングと寝室の間に、クローゼットを設けてゾーニング。 |
| トイレの手洗いカウンターは、天板とタイルにステンレスを使ったこだわりの造作。 | 1階と2階でまるで趣の異なる二世帯住宅の境界となる階段ホールは、白い洞窟を思わせる幻想的なデザイン。 |
| ◎基礎/タイル貼り+塗装吹付 ◎断熱材/発泡ウレタン吹付 ◎屋根材/アスファルト露出防水 ◎外装材/磁器質タイル、塗装吹付 |
◎内装材/漆喰 ◎床材/大理石 ◎開口部/アルプラサッシ ◎キッチン/トステム ◎バスルーム/造作 |
■設計・施工
HOP ハウジングオペレーションアーキテクツ株式会社
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