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いよいよ梅雨が明けて、本格的に夏になってきましたね。
先日路線価が発表され、4年ぶりに全国の標準宅地の平均額が下落しました。
また、フラット35の制度拡充、住宅関連税制も大きく変わるなど、国も経済危機対策として、大盤振る舞いをしている感があります。
いよいよ本格的に不動産の買い時到来か・・・そう思われている方も多いでしょう。

そこで今回は、住宅関連税制の改正に焦点をあてて、『「今」は本当に買い時なのか?』を検討してみたいと思います。

今回の税制改正の中で皆さんに特に身近なものとしては、住宅ローン控除と贈与税の特例があげられます。今回は、住宅ローン控除について、昨年度までの違いを踏まえたうえで考えてみましょう。

住宅ローン控除は皆さんもよくご存知の優遇税制ですよね。
平成20年の住宅ローン控除額は、最大で160万円でしたが、今回の税制改正により控除額が一般住宅では最大500万円、長期優良住宅の場合最大600万円まで大幅に拡大されました。下の表でも確認できるとおり、平成21年、22年に住宅を購入すれば控除額が最も大きくなります。

○住宅ローン控除の概要

居住年 借入金等の年末残高の限度額 控除率 合計最高控除額
(10年間の合計)
平成21年 5000万円 1.0%(1.2%) 500万円(600万円)
平成22年 5000万円 1.0%(1.2%) 500万円(600万円)
平成23年 4000万円(5000万円) 1.0%(1.2%) 400万円(600万円)
平成24年 3000万円(4000万円) 1.0% 300万円(400万円)
平成25年 2000万円(3000万円) 1.0% 200万円(300万円)

※カッコ内は長期優良住宅の場合

ここで注意すべきポイントは、控除額の枠が大きくても、実は自分自身が使いきれない可能性が高いということです。ここはよく勘違いされる方がいらっしゃいますが、500万円をもらえる訳ではなく、自分が納めた所得税や住民税が還付されるのであって、納税額以上の金額が還付されることはないということです。いかに優遇税制のメリットがあっても、自分の現在や将来の収入に対する税額控除枠が上手にリンクしていなければ、宝の持腐れになる可能性が十分にあるのです。

適用を検討されている方は、ご家族の源泉徴収票等を確認して、年間の所得税や住民税の納税額から、住宅ローン控除を適用した場合の減税額を確認してみてください。そうすれば、急いで購入する必要がない場合や、夫婦2人でローンを組んで共有名義にするなど、もっと有利に住宅ローン控除を使う途がみえてくるはずです(下のケースを参照)。

 

☆居住年別 税額軽減額の比較  ~ 早く家を買ったほうが得なのか? ~

1. Aさんの場合
給与収入500万円の会社員(妻は専業主婦、子2人)、
一般住宅を3000万円の住宅ローンを組んで購入した場合(30年返済、金利3%)

居住年 住宅ローン控除による税額軽減額
(10年間の合計)
住宅ローン控除を適用しない
場合の税額(10年間の合計)
平成21年 約133万円 約223万円
(うち所得税66万円
住民税157万円)
平成22年 約133万円
平成23年 約133万円
平成24年 約133万円
平成25年 約133万円

 

2. Bさんの場合
給与収入800万円の会社員(妻は専業主婦、子なし)、
一般住宅を5000万円の住宅ローンを組んで購入した場合(30年返済、金利3%)

居住年 住宅ローン控除による税額軽減額
(10年間の合計)
住宅ローン控除を適用しない
場合の税額(10年間の合計)
平成21年 約437万円 約865万円
(うち所得税425万円
住民税440万円)
平成22年 約437万円
平成23年 約397万円
平成24年 300万円
平成25年 200万円

 

いかがでしょうか? Aさんは、もともとの所得税額が少ないため、住民税からも控除することになりますが、住民税の税額軽減額は上限があるので、Aさんは税額全てが軽減されるわけではありません。また、どの年に居住しても税額軽減額は同じになります。

Bさんは、税額が多く控除枠を有効に利用することができるので、居住年によって軽減額に差が出てきます。

今回の改正は、年収が高く、借入額が大きい人ほど控除の恩恵が大きくなります。もともとの納税額があまり多くない場合、ローン控除を理由に急いで購入する必要はありません。

☆共有名義にした場合の税額軽減額の比較  ~ 控除枠を上手に使う方法 ~

本人の給与収入500万円の会社員〔妻は会社員(給与収入300万円)、子2人〕、
一般住宅を3000万円の住宅ローンを組んで平成21年に購入した場合
(30年返済、金利3%)

1.単独名義の場合
 住宅ローン控除による税額軽減額(10年間の合計) 約171万円
2.本人と妻が5:3の割合で共有名義とし、ローンも同じ割合で借り入れた場合
 夫婦2人の税額軽減額(10年間の合計) 約259万円
(夫:161万円、妻:98万円)

この場合だと、家計全体で見た税負担は、88万円少なくなります。
ただし、妻が将来仕事を辞めて無収入になる可能性がある場合には、妻は住宅ローン控除を適用できなくなりますので、ご注意ください。

大切なのは、「自分の場合では、どれくらいメリットがあるのか?」を確認することです。
住宅は人生の中で最も大きな買い物の一つです。「今が優遇税制を適用できるチャンスですよ」と不動産業者に言われるがまま購入するのではなく、どの優遇税制をいつ利用するのが、自分にとって一番有利なのか?をきちんと確認したうえでご決断ください。

詳しく知りたいときや判断に迷ったときは、複数の金融機関やファイナンシャルプランナー等の専門家に相談されることをお勧めします。

次回は「今が買い時?~税制からみたタイミング その2~」として、贈与税の特例、相続時精算課税を利用して、上手に身内から援助を受ける方法を考えてみたいと思います。

(注)文中の試算については、所得税・住民税・各控除については、標準的なケースを想定しています。

2011年4月
ファイナンシャルプランナーが考える住宅取得プラン

2011年3月
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2011年2月
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2011年1月
サラリーマンに有利な住宅ローン~財形制度を活用しよう~

2010年12月
所得税の扶養控除

2010年11月
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2010年9月
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2010年4月
住宅税制どう変わる?~平成22年度税制改正~

2010年3月
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2010年1月
離婚時の財産分与の注意点~財産分与と税金~

2009年12月
贈与税の配偶者控除~上手に活用して節税する方法~

2009年11月
マイホームの買換え~譲渡益が発生する場合~

2009年10月
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2009年9月
今が買い時?~税制からみたタイミング その2~

2009年8月
今が買い時?~税制からみたタイミング その1~

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住宅購入のワンポイントアドバイス~あなたは持ち家派?賃貸派?~

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住宅ローンを組んでいる場合の家計のやりくり~保険の見直し~

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