道路の突き当たりの土地についての相談
これまで土地に関するお話をいくつかさせていただきましたが、今回は土地を購入する際、家相や風水の観点からよく相談をお受けするケースをピックアップしたいと思います。そして、住まいを吉にするための先人の知恵も、合わせてご紹介したいと思います。
土地の購入に際してよくお受けするのが、道路の突き当たりの土地についての相談です。道路の突き当たりの土地を購入したものの、家相や風水上よくないと言われ、気になってしまうケースがよくあります。
道路の突き当たりの土地とは、わかりやすく言えば、ローマ字の「T」の字の接合点にある土地の状況です。突き当たりという場所がそもそも凶だとか、こういう土地に住むと災いが起こるなどと占い師に言われたり、家相や風水の本によくない土地の例として書かれていたりして、思い悩んで相談におみえになる方が多いのです。
家相や風水の相談を受ける人間は、このような土地の状況は皆一様に凶と言います。ですが私は、現在ではあまり気にしなくてよい場合もあるとお話をしています。「現在では」とか「よい場合も」と前置きを入れましたが、たしかに昔は気にする必要がありましたし、現代でも配慮すべき理由はあるのです。
凶と言われる理由1『風』
それはどんな理由かというと、一番は風ですね。特に台風です。道路の突き当たりの家は、台風の強い風がまともに当たることで、昔は屋根が吹き飛んだり、建物が壊れたりする確率が高くなることから嫌われました。台風メッカの沖縄を旅行すると、「ヒンプン」という石の塀で、強い風がまともに当たらないように工夫された建物が現在も見られます。昨今はコンクリート造りの建物が増え、建物自体を強固にし、強風から守るようになってきていますが、それでも、暴風で飛んできたもので窓ガラスが割れて、大きな被害を受けやすいことは現地の方からもよくお聞きします。
風が当たることは悪いことではありませんが、遮るものがなく、強く当たり過ぎてしまうのはよくありませんし、台風などの暴風となれば注意が必要です。病原菌も、風に運ばれて蔓延することもありますから、そんなことからも、道路の突き当たりの土地は凶と言われたのでしょう。また、どこの地域であっても、道路の突き当たりの住まいは、砂ぼこりを受けやすいという面がありますね。
凶と言われる理由2『交通事故』
そして、もうひとつの理由は交通事故です。特に、下り坂の突き当たりにある土地の場合は、昔は重い荷物を乗せた荷車やリヤカーが坂道で止まることができず、家屋に突っ込む事故が起きやすかったのです。家相が庶民に広まった江戸(東京)は坂が多く、こういった事故が頻繁に起きたのです。それで、こういった突き当たりの住まいは、災いを招くといわれたのです。
このような事故から住まいを守る手立てとして、先人は住まいの前に大きな石を置いたりしていました。そういった観点から見ていただくと、下り坂の突き当たりの住まいに、大きな石が置いてあるのを見かけることがあるかもしれませんね。
道路の突き当たりの土地は、現代でも状況によっては、交通事故が多発する確率が高い場所もあります。過去にも、引越しをしてから何度も車が突っ込んだ家のリフォームの相談を受けたことがありますが、このような土地の場合は、間取り配置も重要になってきます。間取りに納得がいかなくても、命の方が大切ですから、万が一のことを考え、安全を重視した間取りにしておくのがよいですね。できれば道路に近い場所には、寝室や子ども室をつくるのは避け、納戸など居室以外の部屋にしておくとよいでしょう。また、コンクリートで強固なよう壁をつくったり、敷地に余裕があれば、道路から距離をとって建物を配置するようにしたいですね。
先人の知恵を今一度見直して、幸せに暮らせる住まいをつくる
講演で全国を訪れますと、海からの風の強い地域では防風のために、砂ぼこりの多い地域では防砂のために、樹木などを利用して住まいの快適性を向上させる工夫を目にします。先人は、石や石塀、樹木などで、風や危険から住まいや身を守ってきました。このように家相には、快適で安全に暮らすための先人の知恵も数多く残されているのです。
話は変わりますが、今回の東日本大震災の被災地を訪れると、被害の状況は土地の状況で大きく変わることを目の当たりにしました。また、1階が駐車場で2階が住まいのピロティー形式の建物が、津波を受けても耐えて残り、人命も助かったという報道もよくされています。今回の震災をきっかけに、どんな土地や建物が安全か、また不安がある土地であれば、どう対策すれば安全で安心な住まいをつくれるのか、私たちは後世の人たちに伝えていく責務があると思います。昔の人たちがそうであったように、今後は私たちが先人となるのです
今回も土地のお話を進めてきましたが、私たちは先人の知恵を今一度見直して、幸せに暮らせる住まいをつくるために取り入れていくべきだと思います。
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