朝日がふんだんに入る土地の選び方
「住まいの広場」の連載も1年半が過ぎました。現在の『間取りで住まいは大きく変わる!』の前には、ハウスサーカディアン(体内時計を安定させる住まい)の連載で、朝日を効率よく住まいに取り入れるとよいとお伝えしてきました。
住まいに朝日を取り入れるためには、まず土地自体に朝日が入ることが理想的ですね。
そこで今回は、朝日がふんだんに入る土地の選び方についてお話をしたいと思います。
東側や西側の高低差を考える
家相の相談をお受けしていてよく感じるのは、南側の住まいとの高低差は多くの方が気にされているのに、東側や西側の高低差は意外に気にされていないことです。
南側の土地が高ければ、冬の日当りは悪くなるおそれがあります。また風向きも、夏は南から吹く地域も多いですから、夏になると風通しが悪くなるおそれもあります。冬には北風が吹きつける地域が多いことも考えると、住まいを建てるには、南側が低く北側が高い土地であれば、日当たりと風通しがよく、北風にも守られます。そして、家相でも、そのような状況の土地がよいと先人が伝えています。
私自身も以前、南側が高い土地に住んだことがありますが、南から吹く風で庭にゴミが飛んできて、嫌な思いをした経験があります。南側が高ければ、日当たりが悪いぶん夏は涼しくなるのではと思われるでしょうが、風も通らなくなることが多いので、思ったほど涼しくは感じられないものです。私の経験でも、南側が高い土地は冬に寒く、夏は暑いと言ってよいでしょう。
そして、家相書では、土地の東西についても、東側が低い土地を吉、西側が低い土地を凶としています。それは、古来から先人たちが朝日を吉、西日を凶としていたからです。東側が低い土地は朝日がよく入りますが、西側が低ければ西日が強く当たります。今夏の計画停電では、夏の西日の強さを実感された方も多いことでしょう。
そういった意味でも、土地を購入する場合は、ぜひ東側に低くなっていく土地を選んでいただきたいですね。朝日がよく入り、西日を効率よく防いでくれるこのような土地は、間取りのつくり方も大きく変わってくるからです。
西側が高く東に低くなっていく土地は朝日をふんだんに取り込める
たとえば、家相では、西日が当たる裏鬼門に台所をつくることを嫌います。占い的な考えだけで判断をすれば、周りの環境は関係ありませんから大凶となりますが、迷信的な考えを排除する私の考えでは、西隣に大きな建物があるような場合は、西日が遮られるので問題ないとお伝えしています。ですから、西側が高く東に低くなっていく土地は、大きな建物ほどではないにしろ、隣家が西日を遮ってくれるという利点があるのです。
そして、何よりのご褒美は、ふんだんに取り込める朝日ですね。朝起きて、朝日と接してしっかり体を覚醒させることで、人は健康的に暮らせるということを『体内時計が安定する家づくり』(リンク)でお伝えしてきました。今年は、睡眠の大切さがよりクローズアップされていますし、朝日を浴びることで、うつ病などになりにくくなることも報道されています。ぜひもう一度、バックナンバーを読んでいただけるとよいでしょう。
西日が防げ、朝日が取り込みやすい状況であれば、間取りを考えるときにも、ずいぶん楽になると思います。そして、健康的に暮らせる住まいにもなることでしょう。
土地を選ぶ様々なポイント
ただ、実際に土地を選ぶ際には、高低差以外にもいろいろなポイントがありますので、それも少しお話ししておきましょう。
土地は真南に向いていることが理想ですが、そういった状況ばかりではありません。少し東に振ったり、西に向いたりしていることが多いのです。家相の相談でも、土地の向きで悩んでお越しになる方が少なくありません。真南に向いていない土地の場合、建物の主たる向きを東方向にするか、西方向にするかで迷うこともよくあります。寒い地域では、西日もよしとする設計者も多いですが、寒い地域でも殊のほか暑い夏はあり、熱中症になる方は後を絶ちません。昨今は、冬に家の中で死亡する話はあまり聞きませんが、夏は家の中で命を失ってしまう時代になりました。住まいの気密性が高いことが裏目になり、熱がこもることも一因です。
また、旧環境省のデータでも、寒い地域こそ、夏の高齢者の死亡率が冬より高くなっています。寒い地域では日照時間が短いため、冬季うつ病になるケースが多いこともいわれて います。ですから、もし土地の向きが振ってしまうなら、私は西より東に振った土地の方を吉としています。そうすれば、朝日を早い時間から住まいに取り込むことができますし、東側の隣家も同じくらいの大きさであれば、朝日を邪魔しにくくなります。逆に西側の隣家が前に出て、西日を遮ってくれるでしょう。
これから土地を求める方は、高低差だけでなく、道路の向きや土地の向きにもこだわってみてください。その地域の日照状況を知りつくしたプロに、太陽光のシミュレーションをしてもらうのもよいですね。今はコンピューターで、簡単に住まいの日当たりをシミュレーションできますからね。
先人は、南が低く北が高い土地、東が低く西が高い土地を吉と伝えてきました。建物は真南に向けることを吉と考えますが、小池康壽の現代家相学では、「土地の向き、東に振る場合も朝日と接して吉となり」と追記しておきます。
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