家相研究家が本業である私のところには、鬼門などの迷信で家づくりが前に進まなくなる方たちが、全国から相談に訪れます。鬼門の玄関や水回りが、災いを招くなどということはすべて迷信、そんなことに惑わされず、家族みんなが住みよい家をつくりましょうと、私はいつもアドバイスをしています。
一方で、家が完成してから、相談に来られる方も多いのです。占い師に見てもらい、鬼門や年回りなど、言われたことはすべて守って建てた家なのに、入居して間もなく家族が病気で入院したり、事故に遭ったりして、思い悩んで相談にみえるのです。
災いが起きないようにと、鬼門に注意して設計したのに、災い事が起きてしまった。息子の出世を願って東南に玄関をつくったのに、会社をリストラされてしまった。こんなお話もたくさんお聞きするのです。
よくよく考えてみれば、鬼門だからといって、悪いことが必ず起きるわけではないこと。また、東南の玄関と出世とは、本来なんの因果関係もないことは、みなさんもおわかりのことでしょう。しかし、いざ家づくりとなると、根拠もないそれらの迷信が、にわかに真実味を帯びて見えてしまうのでしょうね。家が完成してから、それらの迷信を信じたことが後悔の種になっているという現実を、私は最もよく知っています。
そして、このように、むやみに家相を信じた住まいこそ、前回もお話をしたように、サーカディアンの概念に反した住まいになってしまうのです。つまり、体内時計が安定しにくい住まいといってもいいですね。今回は、そんな後悔の住まいであっても、「こうすればよい、こう住んでほしい」という対策法をお話しさせていただきます。

朝、住まいの最も明るい場所を、朝だけのダイニングルームや朝食スペースにする。このことは、体内時計を安定させる暮らし方のひとつとして、以前もこの連載の中で、提案をさせていただきましたね。今回ご紹介するのは、ある程度は費 用がかかりますが、大規模なリフォームということもなく、サーカディアンライフを実現できるアイテム、「サンルーム」です。
サンルームといえば、エクステリア部材として、みなさんもよくご存知のことでしょう。雨の日でも洗濯物が干せたり、部屋の延長として使えたりと便利なものですが、以前はこれを取り付けると、夏は蒸し風呂のように暑く、とてもではないが中には居られないという商品でもありました。また冬場も、太陽光が差し込む時間は暖かくてよいのですが、夜になると冷え込んで、これまた、部屋としてはほとんど利用できないものがほとんどでした。

ところが、昨今のサンルームは、住宅性能が昔と比べ大幅に向上したのと同じように、構造面でも機能面でも大幅に改良され、夏も冬も快適に過ごせる空間になってきています。部屋を増築する感覚で、サンルームを取り付ける方も増えていますね。
特に、ここ最近のサンルームは、天井部分に日よけや遮光の対策がなされ、開口部が全開できるタイプが多く、風通しよく気持ちのよい空間をつくることができます。夏の暑いときでも、公園にある屋根のついたベンチは、風が流れ気持ちのよい空間ですよね。サンルームも、まさにそんな空間といえます。そして、冬場も、ガラスの性能の向上や、気密性の向上から、居住スペースとして十分に利用できるようになりました。
このサンルームは、サーカディアンハウスをつくるため、サーカディアンライフを送るためには、とても有効なアイテムであると私は考えています。前述のような家相の迷信を信じてしまい、朝日があたる場所を玄関や使わない部屋にしてしまって、大きな後悔をされている方には、私はこのサンルームを勧めてきました。サンルームが、朝日を効率的に取り込める住まいへと変えてくれるからです。

実際、サンルームは、上からも斜めからも日が差し込み、光にあふれた明るく暖かい空間です。太陽光が強すぎる季節は、シェードなどで和らげることができ、開口部を全開放することで風通しもはかれます。寒い時期は開口部を閉め、光だけを取り入れれば、日だまりでぽかぽかと暖かく過ごせますね。
ここで朝ご飯を食べるもよし、朝食後に新聞など読むのもよし。体内時計を安定させるために、サンルームを有効に使っていただきたいのです。医師である兄によれば、朝の光を浴びることは、初期のうつ病や睡眠障害の治療法の一環でもあるとのこと。健康で活力ある毎日を送るためにも、サンルームは一役買ってくれることでしょう。
私たちは、サンルームを「サーカディアンルーム」(商標登録申請中)と名付けたいと思います。そして、朝日が入らない間取りづくりを後悔している方にこそ、この「サーカディアンルーム」(商標登録申請中)をお勧めしたいと思っています。

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