
今回は、「サーカディアンライフ(商標登録申請中)朝・昼編」と題して、体内時計を安定させる一日の過ごし方についてお話をしたいと思います。
一日の始まりである朝。サーカディアンライフ(体内時計を安定させる生活)では、この朝の目覚め方、過ごし方が大きなポイントとなります。太陽の光を浴びて気持ちよく、しっかりと心身を目覚めさせることは、サーカディアンライフの第一歩。そのためのアイテムとして、電動カーテン、電動シャッター、電動ブラインドの「目覚めの三種の神器」も、以前ご紹介しましたね。
朝の光を取り入れることは、私たちが提唱するハウスサーカディアン、サーカディアンライフにおいて何より大切なことですが、カーテンやブラインドを開けたら、もうひとつ、窓もきちんと開けてほしいのです。

ここ最近は、住まいの換気が義務付けられ、常に換気扇が回っている状況が増えています。高気密な構造のため、換気も重要になっているのですが、常に換気をすることで、室内が非常に乾燥しやすい傾向にあります。私も、高気密の建物で、常時換気扇を使用していた経験がありますが、冬場は驚くほど室内が乾燥します。これを過乾燥といいますが、まさにこれからの季節は、この過乾燥に悩む方も多いのです。
ですから、冬場になると、乾燥するから、寒いからという理由で、換気扇のスイッチを切っているという方が意外に多いのです。中には換気扇の電源を落とせないようにしている会社もありますが、多くの方が、換気扇をOFFにしている状況であると私は感じています。
また、換気扇や吸気口の設備を持たない住まいも、まだまだたくさんあります。換気の設備を持たない住まい、また、前述のように換気扇をOFFにしている住まいでは、朝の気持ちよい目覚めが妨げられるおそれもあるのです。実は、寝室などを閉め切った状態で8時間前後就寝すると、朝までには室内の空気中の二酸化炭素がかなり増加しているのです。
室内の二酸化炭素は、建築基準法やビル管理法でも、1000ppmを超えないようにすることが望ましいとされています。私もさまざまな建物で、朝起きた時の二酸化炭素の濃度を測定してきましたが、だいたいの場合において、1200ppmを超えていました。人は睡眠中も呼吸をして、酸素を消費し、二酸化炭素を吐いています。寝室という狭い空間で、しかもドアや窓を閉めた状況では、二酸化炭素の濃度はどうしても高くなってしまいます。
二酸化炭素の有毒性はあまり問題にはなりません。しかし、空気中の二酸化炭素濃度が極端に高くなれば、人間の生命は危険な状態になります(*濃度が30000ppmを超えると頭痛やめまいなどを催し、 70000ppmを超えると意識を失います)。1000ppmや2000ppmの状態では、すぐに健康状態に異常をきたすわけではありませんが、二酸化炭素の濃度が1000ppmを超えると、空気の状態は悪く、眠気が生じたり、体の活動が鈍くなったりします。朝起きたときの室内がこのような環境では、やはり良いはずがありませんね。
ですから、朝は光だけでなく、新鮮な空気を室内に取りいれることも非常に大切なのです。カーテンを開けたら窓も開けること。ベランダに面した部屋であれば、ベランダに出て、背伸びや軽い体操をしてみるのも良いですね。朝の光と新鮮な空気を浴びて、心身をしっかり覚醒させることこそ、まさにサーカディアンライフの一日の、理想的なスタートといえますね。

家相研究家、間取り研究家として、私自身も朝は少し早めに起きるようにしています。早めといっても10分程度です。そして朝食の後に、本宅では庭に、東京のマンションではベランダにテーブルとイスを出し、コーヒーを飲んでいます。ハウスサーカディアンのお話をする際、「朝はどれくらい早く起きるのがよいですか」などと尋ねられることがありますが、窓を開けて朝の光を浴び、深呼吸をするには、いつもより5分早く起きれば十分だとお答えしています。散歩や軽い体操ができれば良いですが、それもなかなか難しいことです。これからだんだんと寒くなりますが、こういう季節こそ、カーテンと窓を開けて、朝の光と空気にぜひ触れていただきたいと思います。
そして、日中は、10分でも15分でも太陽と接してほしいのです。太陽の紫外線はとかく嫌われがちで、太陽光を避けた生活をされている方も多いと思います。

オゾン層の破壊で、紫外線が強くなり、白内障や皮膚がんなどへの影響が指摘されていますが、九州大の溝上哲也助教授(疫学)は、日射量とガン死亡率との関連について調べられ、日射量が少ない地域ほど消化器系のガンで死亡する人が多いという研究結果を、医学誌で発表されています。溝上助教授は「極端に日光を避ける風潮が、消化器系ガンを増やす危険もある」とも指摘されています。
「この食品が健康に良い」といわれても、そればかりを食べて健康になるわけはありません。太陽光にしても、紫外線の悪い面ばかりを嫌って極端に避ければ、体内時計を狂わせたり、健康を害するおそれも出てきたりしますからね。
今回は、サーカディアンライフ、朝・昼編として、光だけでなく、新鮮な空気と触れあうことの重要性をお話し致しました。現代の住まいは気密性が高く、換気設備が不十分な建物であればなおさら、汚れた空気の中で目覚め、一日をスタートさせてしまう環境にあるといえます。体内時計を安定させ、健康的な毎日を送るには、朝の光と新鮮な空気を浴びること、そして、日中の太陽光ともうまく接することができればベストですね。

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